第3世代 POV neon ①
はじめに
球体POV(Persistent Of Vision)というものを作成しています.
タイトルの通り,球体POVとしてはこれで3世代目に入っています.
もともとのアイデアは2015年のハッカソンから始まって,MakerFaireTokyo(以下MFT)でも展示させていただいています.
初代は
このようにPOVではなく,LEDを配置(右上のものはLED32個)してスマートフォンからの命令で複数のボールのパターンを制御するものでした.
下はそこからパターンをきれいに表示させることができるようにLEDの数を増やしたもの
と,ここまで来るとLEDの消費電力など限界が見えてきたにも関わらず,ある欲求が首をもたげてきます.
これで絵を表示したい!
....という話は
こちらで語っていますので,こちらではPOVに移行してからのお話を...
POV neonの歴史
第1世代
第1世代は 2018年のMFTにてお披露目しました.
この世代はLEDに入手しやすいNEOPIXEL(APA102-5050)を使用しています.LEDの大きさが5mm x 5mmなのでどうしても解像度が上げられず,LEDを数も17個に留まっています.
解像度を上げるために半ドットずらして反対側にも配置して33LEDにまで高解像度化していますが,せいぜい国旗あたりまでの解像力でした.
第2世代
第2世代は 2019年のMFTにてお披露目しました.
MFTでは画像を表示するところまではいけませんでしたが,その後画像を表示できるように...
第2世代ではLEDをDOTSTAR(APA102-2020)という2mm x 2mmの超小型フルカラーLEDに交換し,片側45LEDという高精細を実現することができました.
この第2世代はMFTに来ていただいた方々にも興味を持っていただけて,モチベーションになっています.
MFTでは間に合いませんでしたが,動画の後半のように地球儀を表示できているところをお見せでき,画像を表示できる能力を手に入れることができました.
ただ,せっかくLEDがフルカラーなのに地球儀は赤一色であることにお気づきの方もいらっしゃるでしょう.
このあたりHomemadeGabageさんらと相談しながらいろいろと検証しています
そのため,上の動画の前半をご覧になっても分かる通りパターンが流れてしまっていることがわかります.
そう.DOTSTARでも2020のサイズではPOVとして動作するには遅いのです.そのあたりの詳細はここで議論しています
要するに,DOTSTARはLED自体の更新レートは19kHzあるのですが,それはLEDをが100%輝度(0xFF)の場合のみで,フルカラーでLEDををコントロールする場合,RGBの各値を0xFFより小さくしますよね.その明るさコントロールをPWMで行っているため,更新レートが400Hzに低下してしまうのです.
現在のPOV neonが一回転の速度が12Hz程度(1秒に12回転).一回転を分解能120(3度刻み)で表示しているので,更新レートは1.5kHz程度.当然間に合わないわけです.
このあたりの考察はHomeMadeGabageさんのここを参照
こんなわけで第2世代で画像を表示する場合には単色8色しか使えないのでした.
APA102-2020は色輝度が600HzほどのPWMで制御されるのでPOVで使用すると絵が途切れる。しかしグローバル輝度は電流制御だったので、色輝度を最大(600HzのPWMのデューティ100%)にしてグローバル輝度で調光すれば絵は途切れないのだ。
— HomeMadeGarbage (@H0meMadeGarbage) 2019年9月5日
しかし色は8色しか出ない。。。
0x000000, 0x0000FF,‥,0xFFFFFF https://t.co/pwstlNP11E
これを解決するために第3世代が爆誕することになります.
そしてこれを機に,今までマイコンはM5Stackを流用していましたがここも基板から起こすことにしました.
そのため2年がかりの更新となってしまいました(MFT2020は落選しちゃったんですけれどねえ)
ぐはっ
— yakatano (@Yakatano) 2020年7月10日
MFT2020落ちた! pic.twitter.com/CkgK4E3eJc
第2世代のこのあたりまでの経緯については,Make:Japanさんに記事にもしてもらいました.嬉しい.
②に続く